ブログでは、さばかまと名乗っている者です。どうも。
(←クリックでtwitterに飛べます。)
2020年10月24日(土)、25日(日)に予備試験の論文式試験がありました。
私のような棚ぼた短答合格者(157点)にも、受験機会が与えられ、かつ、司法試験委員会に採点されるという、ありがたい機会なのでミーハーな気持ちで行ってきました。
これは、その記録になります。
会場の案内
会場は五反田TOCでした。
東京近郊とはいえ、寝坊や電車遅延等による遅刻リスクを考え、試験前日・1日目は五反田駅付近のホテルに宿泊することにしました(Go To Travel事業の期間中のため、35%オフで泊まれたのもありがたかった)。
初めて行く人もいるかもしれないので、道案内。
JR五反田駅南口(改札を出て右側)を出ると、音がうるさい電光掲示板があるので、ここを左折します。
左折後まっすぐ進むと、受験票の略図にもある「から好し」があります。
から好しの反対側サイドの交差点ごとにファミリーマートがあるので、ここでお茶や昼食を購入しているひとが一定程度いました。私も、試験当日の朝(8:30頃に利用しましたが、全く混まず、レジ待ちなく購入できました。
から好しサイドを歩いている人は、から好しで交差点の反対側へ行って左折、ファミマサイドを歩いている人はそのまままっすぐ進みます。
若干の坂道(スキー初心者向けの緩斜面くらいの斜度)を上ると、TOCのエントランスが見えます。見てわかるとおり、看板があります。
おめでとうございます。ここがTOC(東京卸売センター)です。
受験票には徒歩8分とありましたが、信号待ちを含めて実際そのくらいでした(20代男性(なお、実際の体力は中年男性))。
JR五反田駅改札を出てから15分を見込めば、雨の日ですべての赤信号に最悪のタイミングで捕まっても大丈夫だと思われます。
初日はこの看板の奥に伊藤塾の伊藤真弁護士が立っていました。背が高く、非常に目立つので、チラ見したら目が合ったので会釈したところ、「頑張って!」とガッツポーズしながらのエールを頂きました。
おはようございます。予備試験論文式試験1日目ですね。
— 伊藤塾 司法試験科 (@itojuku_shihou) 2020年10月23日
やればできる、必ずできる。
TOC五反田会場にて、塾長も応援しています!! pic.twitter.com/KzQKE22STJ
会場内
以下の試験会場に関する写真は、全ての試験が終わった2日目の解散後に、司法試験委員会に許可を得て撮影したものです。
ちなみに、許可を得られたのは、試験会場の廊下及び廊下の掲示物についてのみであり、試験室については解散後の受験生が1名もいない部屋を、試験室外である廊下から撮影する態様でもNGとのことでした。
なお、試験室内は電子機器類の使用が休憩時間を含め禁止されています。よって、試験室内から撮影することは、そもそもできません(twitterとかでアップロードされているのを報告した場合、司法試験委員会は「不正行為とみなし、調査します。」と言ってくれるのでしょうか…)
TOC内に入ると、スタッフがエレベーターに案内をしてくれます。コロナ対策のため、1回の乗員数を制限(10名)していますが、エレベーターの基数があるのと、8:35くらいに会場へ到着したのもあってか、全く並ばずに乗ることができました。
エレベーターを降りると検温コーナーがあります。短答でも用いられたタイプなので、歩きながら検査されて終了です。こちらも、来た時には人が少なかったので待つことなく通過。
通過すると、案内図があります。これで受験番号と試験室の場所を確認して、試験会場入りです。
試験室内の撮影ができなかったのですが、試験室内の配置は下表のとおりで、よくある長机によくあるパイプ椅子が設置されたいました。1つの長机を1人で使用する配置になっていたので、他人の筆記による揺れなどがなかったのはよかったです。
よくあるパイプ椅子なので、座布団がないとかなりキツイ気がしますが、周囲をみるとノー座布団派が圧倒的多数で、座布団使用者がマイノリティなことに驚きました(もしかしたら、小さい座布団を使用していて、見えなかっただけかもしれませんが)。
廊下には自動販売機があります。飲料以外もあり、クリーム玄米ブラン(ブルーベリー・メープル・カスタード)が170円、一本満足バー(チーズタルト)が130円、ミンティアタブレット(シャイニーピンク)が210円で売られていました。
夏場ではなかったこともあってか、売り切れは見受けられませんでした。
また、ゴミ箱は使えませんでした。
司法試験委員会(クレオン)からの「掟」。喫煙は「控えていただくようお願い」なので、禁止はされていない。
その他・気が付いたこと
〇TOC1階にローソンがあるが、昼休みに行っても混んでいなかったし、おにぎりなどが枯渇するような事態にはなっていなかった。
〇男性用個室トイレは5ブースあるが、うち2基が和式。洋式個室を確実にゲットしたい場合、会場から解放されたあと小走りに3階下まで行けば確保できる(漫然と3階下まで行くと、他者に占有されてしまう)。
〇座席はパイプ椅子なので、ずっと座っているとお尻が痛くなると思います。司法試験のQ&Aにもあるように、座布団の使用は可能なので、不安な人は座布団を持っていくことをお勧めします。
※私はハニカム構造のクッションを用いました。
〇今年(2020年度)の予備試験用法文の色はグレーです。なお、2日目の実務科目の後に、落丁の可能性が報告され、1042(周辺)~1132(周辺)までが抜け落ちている場合があるとのこと。
※ページ数はうろ覚え。民事訴訟法の途中から民事訴訟規則の最初までの部分がだいたい該当します。
〇司法試験会場で発狂する人がいる、という話をたまに聞きますが、今回の私が受けた試験場では発狂者はいませんでした。
※今回試験を受けていて一番頭おかしいと思ったのは、2日目の実務基礎の試験時間中に突然立ち上がって、独断でトイレに行こうとした中年男性ですかね。
試験委員に断りもなく離席していいと勘違いしている時点で、即失格でいいのではないかと。突然の行動に対して静止に走った複数の試験委員を、いかにも「自分が正当だ」と言わんばかりに振り切ろうとしていた点は、まっとうな神経ではないと感じた。
〇試験会場責任者の試験開始後・試験開始前の説明が変に芝居かかっていて、YouTubeを0.75倍速で再生しているかの如く遅く、説明のたびにイライラが止まらなかった。特に、試験終了後の説明速度次第で、休み時間のトイレ確保が決定づけられるようなものなので、トイレの限界感が余計にイライラを増大させた。
※そもそも、「民事訴訟規則」が「みんじそしょうきそく」と正しく読めていませんでした...。
試験について
全体を通しての感覚は、一般教養はともかく、それ以外の科目で1個でもC評価があれば御の字の出来ではないだろうか、主観的にはそんな感じです 笑
ちなみに、F答案作成者の中でも一番よく書けたと思う(うぬぼれる)科目は行政法、次いで民法、5馬身ほど開いて刑法、以下はFランク確定答案の団子で、さらにその団子から10馬身くらい後方にいてなぜ出走したのかわからないのが、民事訴訟法。
会社法は予後不良。
私は2日間かけて、「実践レベル模試(本番)」をやってきたような状態なので、法律論として論じるつもり、というよりそんな能力はありません 笑
ただ、F答案製造機として活動していたとはいえ、製造機には製造機なりの「お気持ち」はあるので、ほんのりとだけ、バカの思考過程を開陳しておきます。
いくらバカでもバカなりに問題文を読んでの「お気持ち」を綴っているのでネタバレ部分を含みますから、まっさらな気持ちで取り組みたい方などは、読まない方が良いです。また、いくらグズグズな思考過程でも、試験に関する余計なものは見たくない人も多いと推察されます。
よって、科目別のコメントは折りたたみ表示にしてあります。
下記の「試験についての感想」をクリックすると表示されます。
※採点結果がほぼFランクなのは自分でもわかっているので、これを読んで批判する方はさながら死体撃ち、いやリスポーンキルのようなマナー違反者です(怒)
※あくまで「お気持ち」であって、法律構成を期待する方にとっては、期待外れな内容です。
※試験問題は法務省HPで公開されています。
〇憲法 〇行政法 〇刑法 〇刑訴法 〇一般教養 〇民実 〇刑実 〇民法 〇会社法 〇民事訴訟法試験についての感想(クリックして表示)
取材の自由かぁ…、と遠い目をしつつ読む。取材が原則禁止/例外許容になる点で制約が大きいのは感じた。それと「接触」の定義が異様に細かく記載されているため、対面取材のように負担が大きいものと、メール・手紙のように任意に応諾が可能なものを並列的に規制する点を細かく分析してほしいのかな、とも感じ、そのへんを考慮した。
行政契約と通知の処分性。素人目に見ても明らかにヤバそうな協定について、締結起案を決裁してしまうA市の環境部門や法務部門を考えると、こんな自治体に住みたくないし、職員として働きたくないと思ったのは職業病。
設問1は都計法33条の解釈として付款であることを軽く否定した上で、行政契約と位置づけ、優越的地位と公序良俗の話をしてお茶を濁しておく。設問2の処分性は、通知一般についての墓埋法判決からの、浜松市区画整理事業判決と富山県病院勧告事件の流れに乗せ、後続手続を受けうる地位と紛争の成熟性(救済の必要性)について書いて処理。
ローの期末試験で出てきてもいい感じの適度な難易度感だった(論点に気づいてないだけの可能性が極めて高いが)。誤想防衛と量的過剰はちょうど春学期の刑法総合Ⅰのレポートを思い出していた。
もっとも、レポートとは異なり、一体性を欠く事案だと思ったので、2罪成立で処理しましたが。
まさかの一事不再理。これが設問になっていることは気づいたので、憲法39条は引いた。免訴の条文は見つけられなかった(337条)。条文の見出しがあることの重要性を知る。
ちょうど一般教養科目でやっていた、自然法論と法実証主義の対立であった。「悪法もまた法か」を問う問題と認識し、適当にお気持ちを表明しておいた。
時効の再々抗弁、2つの抗弁がよくわからなかった。とりあえず、2回の弁済の事実のうち、2回目が主観的時効(R7.12.1)を超えている点を踏まえると、「R4弁済による更新(承認)による時効未完成」と「R7弁済による時効完成後の自認行為として信義則上援用不可」かな、とは思ったけど、何が主張自体失当なのかわからず、適当に処理したという...笑
民事執行法?知らない子ですねぇ...。
さばかま裁判官、お気持ちのみを理由として、犯人性を推認したりしなかったり、類型的証拠開示をしたりしなかったり、保釈を許可したりしなかったりしてしまう。
設問1は『民法の基礎1』(佐久間毅)にあったなぁ...、と思いながら解く。
設問2は債権者代位による詐欺・錯誤の主張と詐害行為取消による手法を考えるも、前者は本人の内心の問題である「意思表示の瑕疵」について、他人からとやかく言われる筋合いなどなく(※)、この点で一身専属的では、と思った。
※本問では、客観的に騙されているのが明らかなので代位させたくなるが、実生活上で債務者は債権者から「アンタ騙されてるよ!」と、自分の内心の事情を勝手に解釈され、取り消されうるとしたら、たまったもんではないのではないか、ということを考えていた。
最終完全親会社等の株主による特定責任追及の訴え(847の3)????聞いたことありませんねぇ(かいしゃほう みしう者)
さっぱり問題点が分からず。てし様ごめんなさい。
反省点
短答式は、勉強すればすぐ点数に反映されるので、コツコツ取り組んでいきたい。
今年度は幸運にも通過できたわけだが、短答通過自体はそんなに「とてつもなく高い」ハードルがあるわけではないことを、身をもって体感できた。来年は大手予備校の解答速報時点で少なくとも170点以上は取り、短答合格を前提に行動したい。
論文を解いていて、ある程度の視野をもって設問を考えられた科目は、基礎力がある証左だと思うので、逆に「意味不明ワロタ」となった科目(会社とか民訴とか会社とか会社とか会社とか)について、基礎の問題集からやり直したい。
ちなみに、私の合格可能性は、試験官の採点ミス又は採点時に酩酊してハイになっていたなど、なんらかのミスがあり、司法試験委員会が謝罪するような事態でしか考えられないような状態なので、とりあえず来年の予備に向けて今日から再スタートします。
受験された方、お疲れさまでした。受験されていない方も、来年の試験頑張りましょう。