ブログでは、さばかまと名乗っている者です。どうも。
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昨日、やっと期末試験が終わったので、質問箱で質問が多かった内容をざっと書いていきます。700件以上回答しているので、もはや本人も忘れかけなのですが、思い出し次第追加していきます。
授業関連
秋学期のオススメ授業はありますか?
未修者へのオススメは「法実務入門」です。
早稲田リーガルクリニック事務所又は早稲田リーガルコモンズ事務所に所属する弁護士の先生がオムニバス形式で実施する授業で、模擬刑事裁判や選択科目の話(知財、倒産など)をしたり、受講生が実際に行政庁に情報公開請求をしたりするなど、面白い授業です。
※この授業は1年生しか取れません。
※2020年秋学期はコロナの影響で、どのような形態になるかわからないので、この点はご留意ください。
※授業の負担感としては、コメントカード等作成(たまに)、情報公開請求に係る手続き及び情報公開請求に係る簡単なレポート作成がありますが、負担を感じるほどありません。模擬刑事裁判の弁護人担当になった場合、別途打ち合わせ等の時間があったようです。
※成績評価が合否判定(P/Q評価)なので、GPAの問題もありません(そもそも、進級要件GPAには含まれません)。
春学期のオススメ授業はありますか?
オススメは「司法制度の基礎理論」です(既修者でも履修登録可能です)。
春学期は授業の状況が全くつかめず、なかなか授業を取るのはリスキーな感じがしますが、事前配布される文献を読んで考えてくる程度の予習負担で済むほか、8回目くらいの授業でディベート大会があり、その準備のための打ち合わせに時間が取られる程度で、学期中の負担感はほとんどありません。
また、卒業要件として4単位が必要な基礎法分野の単位に該当するので、この点もメリットです。
期末はレポートになりますが、試験期間より後にレポート提出締め切りが設定されていたので、構成を事前に考えておけば、期末後に着手しても十分間に合いました。
春学期と秋学期で必修科目のクラスは変わりますか?
変わります。
どういう基準で変わるのかは不明ですが、おそらく【学力の平準化】を図っているのではないかと推察されます。実際の順位分布から考えると、優秀者をいずれかのクラスに固めるような運用はしていないようです。
なお、未修1年の場合、クラスの1/3くらいが変わっただけで、大半の人は元のクラスでした(春Aなら秋P、春Bなら秋Qが元のクラス)。
※学年が1クラス編成の場合、クラス替えは(物理的に)ありません(2022年度の未修1年生は1クラスなので、そのまま秋も同じメンバーで実施します)。
AAは春学期と秋学期で変わりますか?
変わりません。
AAは未修者、成績不振の既修者、(たしか)飛び級入学者に対し、入学時に大学から自動的に付されます。
学生が変更権を行使しなければ、卒業まで同じ人が担当します。
※変更権は在学中1回しか行使できませんし、変更先のAAを指名することもできません。
※AA制度は任意制度なので、不要と判断すればその段階で停止することも可能です。
AA面談の対象となる成績不振の既修者とは?
「秋学期定期試験の成績をふまえ、入学後の学修結果がこれまでの合格者データと比べまだ司法試験合格のレベルに達していないと思われる学生」です。
※具体的な基準(下位〇%など)は不明です。
※春学期時点での不振者にも面談があるかも不明ですが、秋学期開始前にTKCで告知がなければおそらくないのでしょう。【220528追記】成績不振者については、春時点では希望制、秋時点で強制面談になります。もっとも、司法試験が目前に迫る在学中受験世代(2022年度以降)の場合は、秋の結果発表後では手遅れ感すらあるので、春で強制面談ではないかと予測します。
質問のため先生にメールをしたい。アドレスを知る方法はある?
TKCのトップページ左上【「事務所からのお知らせ」→〇〇年度オフィスアワー(〇〇/〇〇/〇〇更新)】をクリックすると、法務研究科専任教員とローの授業を持つ早稲田の法学部所属の教員のアドレス一覧表があります。
ただし、本籍が早稲田にない教員の場合はここに掲載されません。コロナ禍で対面の質問ができないので、受講生に対しては何かしらの方法で連絡手段を伝える義務があるそうなので、授業の第1回レジュメやTKCお知らせ欄に記載があるかもしれません。
なぜわせろー(早稲田ロー)は”スシロー(又は🍣ロー)”と呼ばれているの?
きっかけは2020年5月31日10:21にツイートされた、とある法学部の方の左図のツイートでした(現在鍵アカウントのため、閲覧不可)。
「早稲田大学法学部、先生の名前に寿司の絵文字を入れてしまう🍣」という文言とともに、徳が🍣になった研究科長の名前がそこにありました。
これを見た私は、このようにリツイートしました。
やっぱ持ってるなー、研究◯長 https://t.co/4k6czLhemM
— かまぼこ (@pisuke_law) 2020年6月1日
ここを震源地としてわせろー生に拡散。研究科長=🍣という隠語が誕生するとともに、わせろー=スシロー(🍣ロー)という標記が定着したようです。
試験・成績・留年関係
中間試験でやらかしてしまいました、A+の可能性はありますか?
あります。
中間試験の成績は評価全体の20~30%なので、0点や不受験はともかく、平均点以下だとしても、期末試験で十分挽回できますし、実際に取れています。成績は中間等と期末を合わせて60点を取れれば単位取得が確定し、単位取得者の中で相対評価が行われるからです。
もっとも、中間ができた人が順当に期末試験もできた場合、当然中間試験分の差がついているので、相対評価ではその人に劣ります。したがって、期末が難しく平均点が低いときに優秀な答案を書けると、相対順位としては一気に上がりますが、期末が簡単で皆出来てしまうと、中間試験の差がそのまま評価に直結するような場合もあり得ます
なお、今季(2020年度)はコロナの影響で状況が特殊すぎて、どうなるか全くわかりません。
成績でA+/A/B/Cはどのような評価ですか?
A+が100~90点、Aが89~80点、Bが79~70点、Cが69~60点という意味しかないです。
成績評価基準は60点までを絶対評価として、60点からは相対評価になるので、究極的には受講生5人で63点・62点・61点・60点・59点の場合、63点がA+にだってなりえます。
※理論上の話。少人数の場合、評価方法は若干異なるからこうはならない
※どうやら、上述の例で評価を付ける場合、教員によって
〇素点63点をそのままA+評価とする
〇素点63点の者をA+評価とし、A+評価に該当する点数(100~90点)に引き直す
という二つの手法が採られているようで、運用がバラバラのようです。この運用差が、後述のGPAと順位(素点)の乖離につながっていると思われます。
したがって、A+だからと完全に理解していたわけでは当然ないし、Bだったとしても表現力等で相対的に沈んだにすぎず、基本が十分にわかっているケースもあります。
重要なのは、出題趣旨を確認して、その要求水準との差を埋める学習だと思います。
「え?出題趣旨が発表されない??」
それは職務放棄に等しいクソ科目です。早稲田大学法務研究科が人の「喜び」「苦しみ」「痛み」を理解できる豊かな人間性を持った『挑戦する法曹』の養成を目指すことを標榜するなら、学生の試験に対する苦しみ・痛みを理解して、「教員の職責」として、採点実感はともかく、出題趣旨は速やかに出すべきだと思いますがね。
出題趣旨すら出さないのは、多くの者にとって復習を困難にするだけにとどまらず、特に成績が振るわなかった学生にとって、「何が悪かったのか」という反省の機会を奪うことに直結します。これは、教員としての責任を「放棄」するにとどまらず、長期的には司法試験合格率を「率先して下げる」、極めて重大な問題だと思っています。
私個人としては、出題趣旨を出さない科目のアンケートにはボロクソ書きたいのですが、その頃にはアンケート集計期間が終わっているんですよね。クソ科目は改善しようがないですね。
期末試験の順位はどのように通知されますか?貼り出されますか?
貼りだされません。
成績発表日に27号館(法務研究科)の成績通知の交付会場へ行くと、事務員から採点済みの期末試験の答案と成績通知書とが同封された封筒を渡されます。
当該通知書を見て確認するか、My Wasedaの成績照会からネットで確認することになります。
したがって、他人の順位は直接その人に聞かない限り、わかりません。
※以下、2020年度(コロナ初期)の特殊事情のため、参考程度に。
今年はどうなるのでしょうかねぇ...。郵送でもするんですかね。
【↓200831追記】
やはり郵送されましたね。8月30日に新宿から発送のため、関東圏では本来の成績発表日より前に到達している方がほとんどな一方、遠隔地ではいまだ届かないケースもあることを考えると、公平感がないとも思います(そもそも、馬場周辺では即日(30日)届いたケースも報告されていました)。
レターパックなので到着日指定ができないわけですが、定形外郵便の規格内でも(おそらく)取り扱えるので、特定記録を付けて配達日指定でもよかったのでは、、と思わなくもなかったり。
順位はどのように付いているのか?
GPAではなく、科目ごとの素点とのことです。したがって、GPAは上でも順位が逆転するケースもあります。
もっとも、成績証明書で出されるのはGPAであって席次(順位)ではありません。順位が使われるのは、各種奨学金の判定(下位1/3の奨学金打ち切りライン・全免・半免)くらいな気がします。
GPAじゃなくて科目ごとのの素点だよ!
— ぴやまぴよ丸🐥 (@piyo_piyama) August 31, 2020
【↓200905追記】
2年次の2020春学期期末試験の結果について、質問箱に来たものとして、
- GPA3.0で20位以内
- GPA2.0で40位程度
- GPA1.85で70位台
- GPA2.3で80位
- GPA1.86で103位
というものがありました。こう見ると結構GPAと順位は乖離していますね。
なお、必修科目のGPAと明示されていないので、全体GPA(法曹倫理・民実・その他科目を含んだもの)の可能性があります。参考まで。
留年はどのくらいの人がしますか?
この質問、クソ多いです。自分で見て確認してください。
https://www.waseda.jp/folaw/gwls/about/graduatefact/
〇〇を落としてしまいました、留年しますか?
※【220824追記】3+2制度に伴うカリキュラム変更を反映しました。
●2年生
基本的に関係ありません(留年生以外の進級要件は必修GPA1.5だけなので)
厳密には、卒業に必要要件が93単位で、3年次に履修できる上限単位が44単位なので、2年次の取得単位が19単位(1単位科目がないので実質20単位)を下回ると、卒留が確定します。
もっとも、20単位を取ること自体は、仮に春学期の必修科目(16単位)を全部落としてもクリア可能なラインです。そもそも、春学期必修科目を全落としするレベルでは、3年生への進級が極めて困難であることを考えると、卒留パターンを心配する必要はないでしょう。
●1年生
可能性があります。特に、4単位科目(民法Ⅰ、民法Ⅱ、基礎民事訴訟法)を1科目落とすと留年の瀬戸際です。
1年生の進級要件は、原則【GPA1.2】と【最低取得単位:11科目26単位】です。必修の13科目30単位のうち、10科目26単位の取得が必要になる以上、4単位科目を1個落とすと単位は1つも落とせなくなるからです。
また、4単位科目はB以上を取っておかないと、GPA要件のクリアも厳しくなってきます。
ちなみに、1年生はこのほかに1月に実施される(であろう共通到達度確認試験の下位15%に該当すると、GPA要件が加重されGPA2.0が必要になります。
●まとめ
以上のことをまとめると下の表のとおりになります。
|
GPA |
最低取得単位数 |
1年生 |
1.2 |
11科目/26単位以上 |
1年生 |
2.0 |
|
1年生 |
1.8 |
11科目以上 |
2年生 |
1.5 |
なし |
無敵状態とは?
※【220824追記】3+2制度に伴うカリキュラム変更を反映しました。
2年次春学期の必修GPAが【3.125】を超えた人を指す言葉です。
留年していない2年生の場合、進級要件は上述のとおり必修GPA1.5超のみ。これをクリアするためには、16科目32単位でGPを49取得すればよいことになります(※)。
よって、春学期8科目16単位でGP49を取得できた時点で、秋学期にカンニング等の不正行為を働かない限り、3年生への進級が確定します(厳密には、1単位科目が存在しないので、50GP取得が必要になります)。
16単位GP50は必修GPA3.125(成績表の表記上は3.13か?)です。必修GPA3.125以上を春学期で取得した人たちは秋学期フル落単でも進級できるので、この状態を「無敵」「無敵状態」と評しています。
※必修16科目32単位の内訳は、春学期「①行政法(2)、②民法総合Ⅰ(2)、③民法総合Ⅱ(2)、④会社法総合Ⅰ(2)、⑤会社法総合Ⅱ(2)、⑥民事訴訟法総合Ⅰ(2)、⑦刑法総合Ⅰ(2)、⑧刑事訴訟法総合Ⅰ(2)」の8科目16単位と、秋学期「①憲法総合(2)、②行政法総合(2)、③民法総合Ⅲ(2)、④会社法総合Ⅲ(2)、⑤民事訴訟法総合Ⅱ(2)、⑥民事訴訟法総合Ⅲ(2)、⑦刑法総合Ⅱ(2)、⑧刑事訴訟法総合Ⅱ(2)」の8科目16単位。
32単位でGPA1.5を超えるためには、32×1.5=48だから、最低でも49GPが必要ということになる。上述のとおり1単位科目はないので、実質的には50GPが必要。
※なお、必修科目は卒業との関係で絶対に取得が必要だが、卒業最低GPAの設定はないので、C評価でよいことになる。そうすると、Cでもいいから全ての単位を取得することを前提とすれば、【秋学期科目全部C評価でも進級できる状態】も、準無敵状態と言える。
準無敵状態の場合、秋学期は全Cで16GPとなるから、春学期に取得が必要なGPは49-16=【33GP】。1単位科目がないから春学期16単位のGPが34、つまり【GPA2.125=1科目A、その他B】でよい。
春学期にGPA2.125を超えさえすれば、秋学期の期末試験で留年に対する心理的不安を除去することができる。
※50GPを取得する人のモデル成績は、1科目A+でその他全Aです。これに該当する人数は不明ですが、2020年春学期ではGPA3.0で20位程度という情報があるので、多くても30人前後のような気はします。あくまで2020年春学期の数字ですが。
3+2制度以前の情報(クリックして表示)
2年次春学期の必修GPAが【2.85】を超えた人を指す言葉です。
留年していない2年生の場合、進級要件は上述のとおりGPA1.5超のみ。これをクリアするためには、12科目26単位でGPを40取得すればよいことになります(*1)。
よって、春学期6科目14単位でGP40を取得できた時点で、秋学期にカンニング等の不正行為を働かない限り、3年生への進級が確定します。
14単位GP40はGPA2.85(表記上は2.86かも)です。このGPA以上を春学期で取得した人たちは秋学期フル落単でも進級できるので、この状態を「無敵」「無敵状態」と評しています。
*1 必修12科目26単位の内訳は、春学期「行政法(2)、民法総合Ⅰ(2)、会社法Ⅰ(2)、民事訴訟法総合Ⅰ(2)、刑法総合Ⅰ(2)、刑事訴訟法総合(4)」の6科目14単位と、秋学期「憲法総合(2)、行政法総合(2)、民法総合Ⅱ(2)、会社法Ⅱ(2)、民事訴訟法総合Ⅱ(2)、刑法総合(2)」の6科目12単位。
26単位でGPA1.5を超えるためには、26×1.5=39だから、最低でも40GPが必要ということになる。
※なお、必修科目は卒業との関係で絶対に取得が必要だが、卒業最低GPAの設定はないので、C評価でよいことになる。そうすると、Cでもいいから全ての単位を取得することを前提とすれば、【秋学期科目全部C評価でも進級できる状態】も、準無敵状態と言える。
準無敵状態の場合、秋学期は全Cで12GPとなるから、春学期に取得が必要なGPは40-12=【28GP】。春学期14単位のGPが28、つまり【GPA2.0=オールB】でよい。
春学期にGPA2さえとれれば、秋学期の期末試験で留年に対する心理的不安を除去することができる。
※40ポイントを取得する人のモデル成績は、2単位科目1個がB、その他全A。これに該当する人数は不明ですが、GPA3.0で20位程度という情報からすると、多くても30人前後のような気はします。あくまで2020年春学期の数字ですが。
共通到達度確認試験関連
共通到達度確認試験とは?
全国の法科大学院に在籍する、全ての未修者が受験する短答式の統一試験です。イメージはセンター試験(もっとも、この例えもあと数年すると意味が分からなくなるのですかね…)。
インターネット黎明期を思わせる素朴な作りのHPですが、こちらが公式サイトです。
早稲田の場合、この短答式試験の結果、
- 全国順位で下位15%に入った場合:進級要件がGPA2.0に加重
- 全国順位で下位20%に入った場合:ロー教員からの個人指導
という措置が採られます。
当初は下位20%一発留年説も挙がっていたことも考えれば、ずいぶん緩和された印象です。
※実際、他のローでは下位15~20%で一発留年としているところもあるようです(伝聞)。本記事を書くにあたり、東大、慶応、中央など数個のローの進級要件を見ましたが、表向きには「進級に不相当な成績」としか表示しておらず、具体的な数値は不明でした。
※【200910追記】文部科学省で2020年9月9日に実施された法科大学院等特別委員会(第98回)配布資料、【資料3-1】論点6関係資料によると、進級要件に共通到達度確認試験を用いたローの中で、一番きついところは「総合点(憲法・民法・刑法の総合得点)が全国平均点以上」(今回の試験結果では上位50%以上)とされたところがあった模様。くわばらくわばら。
※早稲田は「不相当」とかいう抽象的な表現ではなく、ボーダーを公表している(大学院法務研究科要項(抜粋))ので、良心的な気はする。もっとも、【下位15%】という割合で設定しているのは、ある意味では勉強をしていない成績不良者の存在が大前提であって、母集団が極めて優秀だった場合、通常留年の必要がない学生が留年になる不都合が生じかねない。他大学が「不相当」という表現をしているのは、結果次第でボーダーを上下させる運用と考えれば、むしろ早稲田の基準は硬直的ではないか、という気もする。
※意図しているかは別として、必修科目の成績下位層(留年層)と共通到達度下位15%層はほぼほぼ重なり合いが認められるので、実質的には「成績下位層の進級GPA要件が1.2から2.0に加重された」と捉えた方がいいと思われます。
共通到達度確認試験は難しい?
そんなに難しいものでもないし、司法試験・予備試験とは毛色の違う問題が出題されるので、肢別・短パがオーバーワークになりかねないレベルです。
前半が正誤形式、後半が5肢択一。後半の問題は知識がなくても、日本語の読解能力だけで解ける問題も散見されます。
念のため、憲法だけ過去問学習をしましたが、そんなに有用とは思えなかった(そのままの問題も出題されましたが)。
気になる方は、問題(憲法・刑法・民法)と成績分布は公表されているので、実際に解いてみてください。
※【210109追記】第二回以降については、過去問の利用を積極的にしていく方向性であることが、法科大学院等特別委員会(第98回)の議事録で明らかにされている(商事法務中條発言)。よって、対策としては過去問学習が重要であると思われる。
「作問について」ですが,作問委員,点検委員等については,憲,民,刑それぞれ6名から8名の作問委員及び点検委員3名で構成をしております。当初は予定がなかったのですが,第1回の結果を踏まえて,次回の作問に生かすためにフィードバック会議というものを開催いたしました。その結果,かなり今年度の作問に生きるような結果が示されましたので,各科目で昨年度の反省点を踏まえて,あるいは良かった点を踏まえて,今年度の作問をしていただくということになっております。(中略)。
各作問委員は問題のレベル感だけではなくて,全体の難易度調整とか,出題分野のバランス等々に気を使って作題をしていただいておりますので,かなり御負担をお掛けしているということになると思います。本日御出席の委員の先生方の中にも,これまで作問に御協力いただいた先生がいらっしゃいますので,その辺りは直接聞いていただければと思います。ただ,重要な論点は毎年変わるものではないこと,逆に受験者は毎年変わっていくことなどから,今後は過去問の利用を積極的にしていこうという検討も管理委員会の方では始めております。
既修者も共通到達度確認試験を受けられるの?
受けられますよ。受験料10,000円を支払えば。
※未修者は大学が費用負担するので支払い不要です。
※2020年1月の試験で10,000円を支払って受験した早稲田の2年生・3年生は0名です。全国では50名ほどいた模様(受験料負担の有無は不知)。
奨学金関連
奨学金をもらえている学生は多いですか?
この質問はクソ多いですが、質問する意味がありません。このような質問をした方は反省してください。
数値自体は公式発表されているので、そちらを御確認ください。質問箱では留年者数や奨学金受給者数など、定量的な数値があるものについて、「多い」とか「少ない」とか主観を聞かれることが多いですが、個人の主観(評価)に何の意味があるんですかね。
- https://www.waseda.jp/inst/scholarship/supporters/distribution/
※大学奨学課資料、大学院修士課程・専門職学位課程の奨学金受給状況欄を参照 - https://www.waseda.jp/folaw/gwls/assets/uploads/2020/03/hyoukahoukokusyo20200331.pdf
※法務研究科の認証に係る自己評価(142頁など) -
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/houka/mext_01068.html
※【220528追記】文部科学省の法科大学院関係状況調査。「修学に係る経済的負担の軽減を図るための措置」のエクセルファイルに全免と半免、その他給付奨学金の受給者数が記載されている。
稲門法曹奨学金は入学後に受給資格を得ることができますか?
授業の成績が良ければ選考の上、受給可能です。
もっとも、新規申込みは2月~3月になるので、入学時点(つまり入試成績)で受給権がない場合、翌年度からしか受給できないと思われます(違っていたらコメントください)。
なお、入試の際は進学調書の奨学金欄に「希望する」として「1」を記入していれば、成績優秀の場合に選考されます。
在学中は、単に成績優秀だけでは選考対象にはならず、2~3月に奨学金関連のお知らせが出るので、そこから詳細を確認して手続をする必要があります。稲門法曹奨学金だけであれば、簡易な手続きで申請できますが、大学が提供する各種奨学金(小野梓記念、校友会給付など)は奨学金登録という別途の手続きが必要です。
半免から全免になることはありますか?
あります。
まず、稲門法曹奨学金の需給希望者の中から、対象者に【なる/ならない】でまず選考されます。ここで対象者となった場合には、授業料半年相当額支給(いわゆる半免)になります。
次に、半年支給者のうち成績優秀の場合は、さらに半年分積み上げされて、年間相当額支給(いわゆる全免)になるイメージです。
※【200917追記】継続者については「稲門法曹奨学金に採用された」という旨のみMy WASEDA上で通知され、半免・全免については、奨学金情報照会から交付額を見て判断することになります。
※【200917追記】初年度は入学金(20万円)分、授業料が安くなるので、奨学金も20万円安い授業料で算定された額を支給されます(入試試験成績による採用の場合、同封される通知書には半免58万円/全免116万円と記載がされているかと思います)。これが継続採用された場合、当初の採用通知書の金額(20万円減額された額)ではなく、本来の授業料で算定された額(半免68万円/全免136万円)が支給されるので、安心してください。
何位くらいだと全免になりますか?(稲門法曹奨学金に採用されますか?)
分かりません。
とはいえ、全免の場合「未修で5名程度、既修で20名程度」、半免の場合「未修で15名程度、既修で35名程度」という数字は公表されているので、この人数以内の順位に入れば、少なくとも可能性があるのではないか、と思われます。
※受給者の実人数は不明。【220824追記】文部科学省の法科大学院関係状況調査のページに、「修学に係る経済的負担の軽減を図るための措置」というエクセルファイルがあり、これを見ると受給者の内訳が分かります。
※【220528追記】令和3(2021)年3月31日時点で、既修未修合計で全免31人、半免128人となっています。2018年度で受給できるのはストレート進級した未修者であることを踏まえると、3年次の未修の全免枠は2ということが分かります。
※順位も「必修」か「全科目」か、いずれで判定されるのかも不明。正直、いろいろな人に聞くしかないのですが、金銭に絡む話かつ成績に直結する話なので、なかなか聴き&言いにくい分野にあたり、経験則が集まりにくいと思います。
稲門法曹奨学金が打ち切られることはありますか?
あります。
稲門法曹奨学金は基本的に継続給付ですが、その年度の最終成績(春学期・秋学期の合算成績)が下位1/3の場合、翌年度の継続が拒絶されます。
この拒絶を打ち切りと表現し、1/3をラインと表現したのが奨学金打ち切りラインです(私が命名したので、通用性があるわけではない)。
なお、念のため申し添えますが、採用年度(入学年度・新規採用年度)は、春学期の成績が下位1/3であったとしても給付されます。全免も半免も秋学期の授業料納付日の前日(9月30日)に給付されるので、年度の最終成績を基準とする下位1/3の問題は生じえません。打ち切りが問題となる場合は、翌年度の【継続】給付の可否です。
※ちなみに、奨学金打ち切りラインの判定が「必修」なのか「全科目」なのかも不明。奨学生の趣旨、法曹倫理や実務系科目などが必修科目ではない点からして、全科目を参照しているのではないかと予想しています。
日本学生支援機構の第一種奨学金について
早稲田に限らず、法科大学院生に共通して言えますが、機構の一種は受給しておいて損はないです。
一種は無利子とはいえ、返還を要するから実質借金ではないかと感じる人もいるかと思います。
たしかに、返還になれば返済を要するのはそのとおりです。しかし、「特に優れた業績による返還免除」の認定が受けられれば、返還不要となり、給付型奨学金として利用することができる可能性があるからです。
※「可能性」かよと思われるかもしれませんが、実際に筆者は全額免除認定を受け、機構一種については返還が完了しています。
「特に優れた業績による返還免除」は法科大学院生の場合、基本的に大学院の成績で判定され、その他の事績(論文を書いた、賞をもらった、ボランティアしたなど)をサブ要素として考慮されます。
※この詳細は別記事で記載します。
結局のところ、機構一種は無利子なのでとりあえず借りておいても一切の損害はないし、ローの成績が良ければ全免又は半免がもらえる可能性がある奨学金です。
家計基準さえ満たしていれば、「借りない」という選択は経済的に不合理と思われる選択だと思います。
その他
基本書はどのようなものを使用していますか?
あくまで、未修者が学習開始した際に使う本、という観点から、別のブログ記事で徐々に紹介したいと考えています。
ここに記すには余白が狭すぎる
※【220528追記】合格していたら追記します。
とりあえず、こんなものですかね。
ほかに回答しておいてほしいものは、コメントにどうぞ。